*ハナコイ*


俺が紙切れを見ようとしたら、廊下から大臣が大声で俺を呼ぶ声が聞こえたから、俺はそのまま紙切れを服にしまった。



パーティー会場に戻った俺は踊りの相手をしたり客人の相手をしたりして、部屋へ戻った頃にはもう月が登り始めていた。



「疲れましたね…」



俺の肩にもたれながら、姫がそっと言った。



「そうだね…でも寝かさないよ」



俺は姫を押し倒すとそっと唇を重ねた…



これでいいんだ…



姫が俺の体に腕を回した時…



カサリ…



「これは…?」



姫の手にもたれていたのはさっき女性にもらった紙切れだった。



すっかり忘れてたよ…



俺は、なんでもないよって姫に笑いかけると紙切れを開いた。



「嘘だろ…」



俺はしばらく動けなかった…
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