*ハナコイ*


――――――


空に輝くたくさんの星の光を浴びながら、私は中庭に立っていた。



もうすぐお月様がてっぺんにいく…



"ロゼア"はもうすぐいなくなって、私はまたバラに戻る。



『いいのかい?ロゼア。』

「ええ…バラに…戻して」


お月様は少し寂しそうに微笑んだ。



「人間になれてよかった…本当にありがとう」



私の体が、ゆっくりとお月様の光につつまれた。


王子様…



目をつぶると浮かぶ、あなたの姿…



「ロゼアッ!」



遠くで聞こえる、王子様の声…



「お…じ、さ…」



そこで…私の意識は途絶えた。



バラに…戻ったのね…
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