*ハナコイ*


「ロゼア…よく聞いて…」


私の髪を優しくかきあげながら憂いを帯びた瞳で私を見つめる。



「ロゼア、君を愛してる…」



…今なんて?



愛してるって…言ってくれたの?



涙がとめどなく溢れて、王子様の顔がぼやけて見えた。



「ロゼア…もう離さない」



離さないで…



私はぎゅっと王子様にしがみついた。



「王子様…」

「ん?」

「すきっ…」



王子様は再び私にキスをするとにっこりと微笑んだ。



「知ってるよ」


―――――


抱き合うふたりの姿を見ながらお月様が空で優しく輝いている…



『美しいって褒めてくれたから…タイムリミットのおまけだよ』


















*fin*
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