one
「アルバム・・・。」
「えっ?」
「何度も燃やそうと、したんです。」
「はい。」
「あんなに幸せそうな写真を見たら、決意が揺らいでしまったんです。」
「そのアルバム何処に有るんですか?」
「裏の蔵にその時の日記とアルバムが保管して有ります。これが終わったら、見て良いですよ。」
「有り難うございます。」
「では、さっきの話しに戻りますね。」
「はい。」
「最初は言ってわからないならことを起こせば、いいと考えました。」

「お兄ちゃん、開けて。」
ドンドン。
何かにすがるように扉を叩くような音が語るのを阻む。
「潤、開けろ。」
「翔、ダメだよ。」
「お兄ちゃん、お願いだからドアを開けて。」
「神は僕に懺悔しろと言うのか?たとえ地獄の底に落とされたってしない。」
「お兄ちゃん、お兄ちゃ〜ん。」
女の子のすすり泣く音とそれを励ます男の子の音が微かに語るのを阻まない程度に鳴る。
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