one
「学校が違えば登校する時間も下校する時間も減る。だから、会う時間も自然に減る。」
「二人はより僕の前では普通な兄弟を演じていました。」
「ご両親はまっく、気付かないですか?」
「父の中でも、母の中でも再婚したけど、相性の合う兄弟が出来て良かったって考えていたんでしょうね。」
「ふっ。」
鼻で笑うような音が一瞬、聞こえた。
「どうしたんですか?」
「いえ、近所でもいつも理想的な家族って言われていましたよ。けど、そんなこと言われていると僕が可笑しいんじゃないか?って思いましたよ。」
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