Plumbago


「ありがとうございました」



煙草と適当に飲み物を買って、レジを済ませた私は店内を出ようとドアの前に立つ。



「……」



だけど出られない。


ここのコンビニが自動ドアだったならすんなりと外へ行けたんだと思う。

だってドアの前に立つだけで開いてくれるんだし。


でもそうじゃないから出られない。


私の真正面、つまり店の外側に立つ身長の高い男。左手に携帯を持って右手でドアの取っ手を握って、堂々と真ん中に立っている。


その体制のままそこから動こうとしない辺り、余程電話に集中しているらしい。


それに加え顔を道路側に向けている所為で、自分のしている迷惑行為に全く気付いてない。


さて、どうしたもんかな。


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