Plumbago
友情と恋情
「今日はどうする?」
「トリートメントと…あ、カラーもお願いします」
美容師の希(のぞみ)さんにそう告げると、胸まである私の髪を後ろで束ね、細いクシで毛先を整えながら面白くなさそうな顔をする。
「何だぁ、今日もカットしないのね」
「はい」
「たまには遊ばせてよ~」
「イメチャンしたくなったら言いますから」
「もお、そればっかり!」
「希さんだってそればっかり」
「う―」
鏡越しに駄々をこねる希さんに微笑んで、置いてあったファッション雑誌に手を伸ばした。
「莉乃ちゃんみたいに綺麗な子の髪弄るのは楽しいのにな―」
そう言ってカラーする前のベーストリートメントを霧吹きで吹きかけていく。
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