Plumbago


トリートメントもカラーも終り、『アレンジくらいさせて!』と言った希さんに髪を巻いてもらって席を立った。


「莉乃ちゃん、また痩せた?」


レジを打ち終わり、出入り口まで見送ってくれた希さんが、心配そうに顔を覗き込む。
私よりも背が小さいから、必然的に上目遣いになって。


悩殺級なそれにクラクラしながら「まあ」と必死に答えた。


「ちゃんと食べてる?今日休みなら夜何か作りに行くよ」

「……」


希さんとは昔からの付き合いというか、まだ私が学生の頃に奏次を通して知り合った。
だから店以外で会うのも結構ザラで、だけどマンションに来るとは今日初めて言われた。


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