Plumbago
暫く2人で世間話をしていると、車が着いたと連絡が入った。
「それじゃあ、行きますね」
「あぁ。また月末に」
見送ってくれた山村さんにキスを落とし、ドアを開けて部屋を出た。
欲だけが渦巻く空間から開放されたと思うと、溜息を吐かざるを得なかった。
だけどすぐに後悔をする。
エレベータから見下ろしたネオン街は光り輝いていて、深夜だというのに…いや、深夜だからこそ人で溢れている。
ここに来てからもう3ヶ月。
1ヶ月も経てばこの街なんて平気で馴染めてしまう。
と言うか、埋もれると言ったほうが正しいのかもしれない。
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