Plumbago
別に、4時間も我慢していたんだから言われれば20分の道のりくらい我慢出来るのにな。
まあでも、私も私か。
フィルター近くまで燃えた煙草を灰皿で消して蓋を閉じた。
今度、消臭剤でも買ってあげよう。
「あ、そうだ」
暫く続いた沈黙を奏次の声が破って左手で助手席に置かれた荷物をガサゴソと探り始める。
「ご苦労さん」
「ありがと」
「32万。一応確かめて」
茶封筒の中の札束を引っ張り出し、32万あると確認して鞄に封筒を仕舞った。
「お前体大丈夫か?ここんとこ連勤続きだろ」
またそうやって甘やかす。
他の子には出ろと煩いのに。
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