Plumbago
モテること。
察しの良い奏次が気付いていない筈ない。
「ねぇ、一旦事務所寄ってくれる?」
「ん?」
「荷物ロッカーに入れっぱだから」
「おっけ」
だってほら、お願いをするとそんな顔して。
…やっぱ分かってない。
絶対分かってないから、渋る奏次に用事があると嘘を吐いてマンションまでの送りを断った。
危ないと言う奏次にはタクシーで帰ると言ったけれど私の住むマンションは店の寮で、事務所から歩いて20分も掛からない。
大通り沿いだから、危ないこととかは滅多にないし。
う―ん、キャッチがうざいくらいかな。
だけどもう、慣れたもの。
声を掛けてくるキャッチや呼び込みをかわしながら歩く。
「いらっしゃいませ―」
帰る途中、事務所とマンションの真ん中に位置する行き着けのコンビニに寄った。
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