キミがスキ


「…よ」


え?龍哉の…お母さん?


「どんなけ雅哉とお父さんを困らせたら気がすむのよ!それに私にも!アナタが問題を起こした時誰が頭下げたと思ってるの!」


「母さん…」


「アナタなんかに…母さんなんて呼ばれたくないわ!アナタなんか…産まなきゃ良かったわよ!」



…っ!!なんで…?

なんでそんな事ゆうのよ…お母さんでしょ…?


「だったら産むなよ!優花行くぞ」



そう言って龍哉は部屋を出た。


「アイツは…なんであんなになったんだ…落ちこぼれが」


落ちこぼれ…?龍哉が?は?笑わせんじゃないわよ



「あの!アナタ達それでも親ですか?なんで龍哉の気持ち分かってあげないんですか?そんなに世間が大事なわけ?」


「君に何が分かるって言うんだ!」


「分かんないわよ!アンタ達の考えはさっぱり!でも龍哉の気持ちは分かる!龍哉は…いっつも家に帰ると悲しそうな顔するの!本当は仲良くしたいんだよ!」


「笑わせるな」


「笑わせるのはそっちでしょ?私は暖かい家庭で育った。お父さんの顔は知らないけどすごく優しそうな人でお母さんは自分より私の事を考えてくれてる!自分の人生な
んだから悔いの無いように生きなさいって!お父さんが最後に書いた手紙にも同じ事が書いてあった。お兄ちゃんはブツブツうるさいけど、

私になんかあった時はいつだって笑顔でいてくれる!家族ってそう言うもんでしょ?!支え合っていくものじゃない!他人との絆は簡単に
切れても家族の絆は一生消えないんだから…一度くらい自分達を置いといて龍哉の気持ちを考えてあげて下さい」



私がそう言うと龍哉の両親はただうつむいていた。



「それじゃあ…失礼しました」


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