キミがスキ
「お父……彰人の家はものすごいお金持ちでね。彰人は頭が良いしカッコいいし皆の注目の的だったわ。でも凄く女ったらしでね。今のお兄ちゃんと同じように」
彰人とはお父さんの事
「そんな彰人の事が私は大好きだったわ。もちろん最初は彰人も相手にしてくれなくってね…だけどお母さん諦めなかった。彰人が振り向いてくれる1%の確率を信じてたの。ある日ね女の子を抱いてる彰人を見たわ。その時言葉が出なくて…
お母さん泣き崩れたのよ…。悲しくて悲しくて…でもね、次の日「お前を俺だけの物にしたい」って言ってくれてね…
最初は信じれなかったけど今まで関わってた女の子達と縁を切って次第に私だけを
見てくれるようになったわ…」
お母さんは微笑みながら違うアルバムを手にし、開きながら続きを話し始めた。
「それからよ…耐えきれない程の痛みと悲しみを覚えたのわ。ある日ね、彰人と寝た事がある人が妊娠したって言ってきたの。それを聞いた時どうしたら良いか分からなかった。ずっとずっと好きでやっと手に入れたんだからね…でも彰人は妊娠してるはずは無いって。ちゃんと避妊したしピルも飲ませたからって。彰人は遊び人だったけど誰よりも優しい人だったから女の子の身体だけには気づかってたわ。」
お父さんが優しいのは知ってる…。私覚えてる事があるの。
まだ小さい頃仕事に行くお父さんを泣きながら引き止めた事。
私が「寂しい」って言ったらお父さんは仕事を休んで1日中一緒に居てくれた。