キミがスキ

覚えてるよ…………｡



「それでね｡色々問い詰めたら違ってたの｡でも安心したのも束の間｡今度は親が色々言ってきてね…彰人の両親は「庶民のくせに彰人に違づくな」って言ってたわ｡もちろんお金持ちの世界と庶民は違いすぎる｡でもそんなの関係無いじゃない？だけど、親にはどうしても分かってもらえなくてね…｡彰人の両親は私に会わせないように毎日車でメイドさんに送り迎えさせて私の親は部屋から出してくれなくて…｡
耐えきれなくなった私達は家出したの｡誰も居ない所に行きたくて｡
それからお兄ちゃんを授かって降ろす事は考えられないし産みたかったから必死にお互いの親に頭を下げたわ｡そしたら認めてくれてね｡

もうそれからは楽しい毎日だった｡一緒に暮らして咲哉を産んで｡
幸せだった…

でもね…そんな時悪性のガンが見つかってね｡お医者には長くないだろうって言われたの｡頂戴優花がお腹の中にいる時だったかしら…お母さんはショックでずっと泣いてたわ｡
そしたら彰人………」



お母さんはアルバムから一枚の写真を取り出し微笑みながら言った｡