キミがスキ

………っ………


涙を流す龍哉に必死に涙を止める私。



私は涙を止めて肩を震わせながら言う。


「龍哉…?私じゃダメなの…?もう好きじゃないの…?」



「ゴメン……」


……やだ…また泣きそうだよ…

でもここで泣いたらダメ…絶対…ダメ…
。涙こらえなきゃ…こらえなきゃ…



「もう会えないの…?何も言ってくれないの…?」



「……………」


黙ったままの龍哉。


その龍哉を見ていたら色々な事を思いだした。


全部全部大事で…でも思い出になんてしたくないよ…



絶対…別れたくないよ……


龍哉との事を思い出したら涙が出てきて止まらなかった。


「…っ…1人に…しないでぇ…っ…ふ…」

「どこ…も行かないで…っ…」



龍哉にしがみつき泣き崩れる私。




「優花…ゴメンなぁ…本当…ゴメン…」



龍哉…泣いてる……


「俺お前の事本当は手放したくない…でもアイツをほっとく訳にはいかねぇんだ…アイツは寂しいってだけで他人も自分も傷つける…優里から聞いた…優花が教室でレイプされそうになったやつ優里が仕組んだって…二人で話したのも聞いた…ゴメンな…もっと早く気づいてやれなくて…優花…好きだ…今もこれからもずっと愛してる…だけど俺達別れよう…。もう優花を傷つけたくない……だから優花はもっと良い奴みつけて幸せになれ」



「龍哉…っ…」


ーーーーチュッ


私達は打ち上げ花火が上がる中初めて悲しいキスをした。


あー…誰かが言ってた事がある。

人は好きだから別れる時もあるって…。



そっか…私達も好きだから別れるんだ…



「行きなよ…優里ちゃんの所。」



< 282 / 336 >

この作品をシェア

pagetop