それでも僕は
「ほらほら急ぎなさい。スバルもよ」
ケイコ姉は腰に手をあてて急がせる。
確かに僕がいつも出る時間をとっくに過ぎてる。僕より15分遅く出るスバルさんも少し慌てだす。

朝食を流し込み、お茶を飲み、呼吸をただす。いつも通り重い鞄を手にし、鏡の前にたつ。
「ん。いつも通りカッコイイ」
ニヤリと笑った僕を横目にケイコ姉が、呆れた顔で
「アホだ健司」
と爆笑している。

ちょっと恥ずかしくなり赤くなった顔を手で隠しながら、玄関へ向かう。
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