私の執事サマ
ん?
何か降りてきた2人がこっちに近づいて来てる?
いや、気のせいだよね!
だって私の知り合いなんてほとんど居ないに等しいし、この人達と会った記憶さえないもん!
きっと通り過ぎるはず!!
なんて考えてたら私の前に来て立ち止まった。
近くで見るとますます美形だなぁなんて呑気に思っていると、
『『高槻彩華様ですね?』』
うわ~キレイにハモってるし。それにかなりの美形。
『そうですけど何故私の名前を知っているんですか?』
私がそう答えると2人のうち片方が、
『旦那様の命で彩華様をお迎えに上がらせていただきました。さぁ、車を待たせておりますのでお乗りください。』
と言い終えた瞬間、
私の足は地面についてなかった。
つまりわかりやすく言うと、もう1人が私をお姫様抱っこして車へと歩き始めていた。
『えっ!?ちょっ!待ってよ!詳しく説明して!それに院長の許可なしに外に出れないの!ってかその前に降ろして!』
『車にお乗せするまでの間だけです。どうかご辛抱ください。院長には既に許可をいただいております。車内にて詳しいことをお話させていただきますので。』
なんて言われてニッコリと笑いかけられた。
…何だろう、この有無を言わせない微笑みは…