俺は見ない
俺はそのまま晩御飯を頂くことにした。
社会人になり一人暮らし中の身には橘家の食事は嬉しい。味も美味しいし、幸せだ。
そういえば、と話題が途切れたときに隣に座る桂子に
「健司君は?」と聞く。
「ああ、健司最近部活が遅くて、もう少ししたら帰るはず」
と笑顔で答えてくれた。
サッカー部の健司は、才能があるらしく、将来の見込まれたサッカー少年だ。まあ、桂子は"単なるサッカーオタクよ"なんて言うが、すごいのは確かだ。

それからは、サッカーやら健司についてやら話していた。
と‥
玄関のドアが開いた音がして、少年らしい荒々しさの残る「ただいま!!」が聞こえた。
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