工場注意報
新しいやり方を、作業員達は戸惑いながらも受け入れた。

そして、事故の話題が薄れてきたある夜―。

夜勤のやり方が変わり、作業部屋には二人の作業員が常時いることになった。

その夜、機械の動きが悪く、工場内にはベルが鳴り響いた。

一人の作業員が修理班を呼びに部屋を出ていった。

そして数分後、工場内に絶叫が響き渡った。

作業員と修理班が慌てて作業部屋に駆け付けると、そこには腰を抜かした作業員がいた。

何があったのかと皆が尋ねると、作業員は床を指差し、こう言った。

―首がっ…!―




翌日からその作業員は夜勤を嫌がるようになった。

作業員の話は瞬く間に工場内に広まるも、その後は何も起こらず平穏だった。

やがて、彼の死も作業員の話も消えかかってきた頃、一人の女性が夜勤をしていた。

机で座りながらの作業をしていた彼女は、最近入ってきたばかりで、二つの事件のことは知らなかった。

そのことが良かったのか悪かったのか―。

他にも数人の夜勤組がいた。

しかし休憩や食事をしに出ているので、今は彼女一人だけだった。

一人と言っても、他の部屋には作業員がいる。

だから安心していた。
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