letter
もう一度だけ,還菜ちゃんの部屋に行くとやっぱり鍵が掛かっていた。
「…還菜ちゃん?」
私が声をかけると,中から物音がした。
「蜜華は…翔平の事好きでしょ?」
あまりにも突然,核心を突かれて声が出なかった。
「な…んで?」
部屋の奥で還菜ちゃんがクスクス笑っているのが聞こえた。
「蜜華はすぐ顔に出るから。…翔平も蜜華の事好きだし。蜜華の隣には翔平が居なくちゃダメだよ。」
還菜ちゃんの言葉で止まったはずの涙がまた溢れてきた。