2番目。
どんどん真っ黒で醜くなっていく私の気持ち。
心がすべてそれに覆いつくされる前に離れたかった。


心がすべて真っ黒に染まったら、きっと私は諒くんを憎んでしまう。
それだけは嫌だった。


憎しみからはそれ以上なにも生まれない。
気持ちが憎しみに変わる前に離れないと、その感情にとらわれて一緒に過ごした時間が無意味なものになってしまう。


苦くてつらかった気持ち、そしてうれしかったことや楽しかったことはちゃんと記憶の中に残しておきたかった。


2人で紡いだ時間を憎しみだらけの嫌な記憶に変えたくなかった。

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