バスルーム ~君の魔法が解ける時間~


『普通にかわいいじゃん。俺,ちなのすっぴん好きだよ…』



好きって…


男の子からそんな言葉いわれたことないや。



一瞬ジュンの顔が真剣になったかと思うと,すぐに表情がゆるんで


『まゆ毛なかったけどな。』


『なっ!!』


あたしは慌てて手でまゆ毛を隠した。


『今メイクしてるじゃん…』


ジュンの手があたしの手をつかんで,おでこからひきはなし,ジュンの熱い頬に触れさせる。



あたしの胸は,びっくりするほどドキドキしていた。



『ちなのすっぴん,見たいな…』


ジュンはまるで,小さな子どもが甘えるような目であたしを見た。







それにしても,今日のジュンはよく喋るなぁ…



< 15 / 54 >

この作品をシェア

pagetop