バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
『普通にかわいいじゃん。俺,ちなのすっぴん好きだよ…』
好きって…
男の子からそんな言葉いわれたことないや。
一瞬ジュンの顔が真剣になったかと思うと,すぐに表情がゆるんで
『まゆ毛なかったけどな。』
『なっ!!』
あたしは慌てて手でまゆ毛を隠した。
『今メイクしてるじゃん…』
ジュンの手があたしの手をつかんで,おでこからひきはなし,ジュンの熱い頬に触れさせる。
あたしの胸は,びっくりするほどドキドキしていた。
『ちなのすっぴん,見たいな…』
ジュンはまるで,小さな子どもが甘えるような目であたしを見た。
それにしても,今日のジュンはよく喋るなぁ…