バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
こんなにたくさん話すジュンは,職場では一度も見たことがない。
いつも指示されたことには逆らわず,ハイとだけ答えてあとはその通りに動く。
あたしは何度もジュンはロボットなんじゃないかと疑った。
たまに独りでいるのをみかけると,ぼーっとしてて,死んだような目をしていることもよくある。
だから,こんなにいつもと違うジュンは新鮮なんだ。
だからこんなに鼓動が早くなるんだ…
あたしは自分にそう言い聞かせた。
『なんか変なこと言ってるよ…?熱のせいだよきっと…。早く寝な…っ』
あたしが言い終わらないうちに,ジュンの少しむっとしたような顔が近づいてきて─────