バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
あのあとジュンはたっぷり睡眠をとり,この通り不機嫌になってるというわけ。
『ちょっと,飲み物もほしいんだけど…』
あたしのことも‘ちな’とは呼ばなくなった。
たぶんキスしたことも覚えてないんだろうな…
あたしは透明のガラスのコップに水を注ぎ,ジュンに手渡した。
さっきのようにゴクゴクと喉をならしながら水を飲むジュン。
のどぼとけが上下に大きく動いている。
『これ,そんなに面白い?』
のどぼとけに目を奪われていたあたしにそれを指差しながらジュンは見下すように言った。
『あ…ごめん。』
あたしはとっさに謝った。
『別にいいよ。減るもんじゃねぇし。』
態度がものすごくでかくなってる…
いつものモデルのジュンだ。