バスルーム ~君の魔法が解ける時間~


『風邪移ってない?』


やっぱりキスしたこと覚えてたんだ。


『大丈夫だよ。あたし体だけは頑丈だから!』


にぎりこぶしを作ってガッツポーズをしてみせると,ジュンはふっと笑った。


その顔にまたあたしの胸の奥が少しだけ反応する。




あたし,この人とキスしたんだ…





別にファーストキスに未練なんてない。


むしろ,こんなイケメンで美しいモデルさんとなんの設定もなしでキスできるなんて光栄だと思う。




目の前にあるガラスのテーブルに,氷の入ったコップがコトンと置かれた。



『紅茶すき?』



ジュンは無邪気な笑顔を見せた。



なんだか嬉しそう。



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