バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
『うん。すき。』
透明なコップの中に薄い茶色の液体がトポトポとそそがれていく。
ジュンは誰とでもキスするのかな。
汗をかいた水滴でいっぱいのコップを両手でもちあたりをぼーっと見回しながら紅茶を口へと運んだ。
昨日はあたふたしててあまりよく見てなかったけど,部屋が昨日よりも少しだけ散らかっている気がする。
ところどころに,たたんだダンボールが重ねてある。
すーっと目線を前に戻すと,ジュンの視線とぶつかってしまった。
『な,なに?』
あたしは逃げるように目をそらした。
『なんで目そらすの?』
なんでだろ…
目をあわせたらどうかなるのかな…
どうもならないよ。
だってあたしは別にジュンのこと…