バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
『うそでしょ。』
あたしは前に乗り出し,ジュンの目線の高さにあわせた。
『ほんと。』
今度はジュンがにっこり首をかしげながらさらに近づいた。
と思うとさっと体を引いて
『あーあ。もうちょっとマシなシチュエーションで告白するつもりだったのにな。』
おもちゃを取られた子どものように,いじけた顔であたしに言った。
『ほんとにあたしのことが好きなの?』
『だからさっきから言ってるじゃんか~。』
ジュンは前に乗り出したあたしの鼻を人差し指でむにっと押さえつけた。
『ちなのすっぴん見せてほしいな~。』
『だからそれはっ…』
『お風呂のあとしかだめ。』
あたしの言葉をジュンが続けた。
『そうそう。』
『じゃあ,お風呂入ろう!』
うん,そしたら見せられるね──────
んなわけないでしょー!!!