バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
『おい,俺嫌がる子を無理やり襲う趣味はねぇからな。』
ジュンはあたしの恐怖に満ちた表情を見てか,とっさに付け加えた。
『でも,すっぴんは見せて欲しかったな。』
いじけた。
また子どもみたいな顔をする。
あたしの中のモデル‘ジュン’のイメージが昨日今日でどんどん崩れて行く。
『そんなに見たいの…?』
見たっていいことないと思うけどなぁ…。
『ちなが嫌って思うなら別にいいよ。俺はちなが自分からすすんで見せてくれるようになるのを待つ。』
ジュンの表情からして意志はかたいようだ。
あたしジュンのこと,ほんとはどう思ってるんだろう。
今まで全然違う世界の人だと思ってたから,まさかそんな風に…好きって言われるとは思ってもみなかった。
それにあたし恋愛とかわかんないし。