バスルーム
~君の魔法が解ける時間~
『ね,目つぶって?』
ジュンがそう囁くとその息があたしの鼻をくすぐった。
あたしはジュンの顔が近すぎてびっくりして硬直していた。
いつのまにかジュンの右手があたしの首の後ろにそえられている。
ちょ…まって。
心の準備が…
心臓の音今までにないくらいすごく早くなってる。
ジュンの右手がなかったら今にも倒れてしまいそうだ。
あたしは思わずぎゅっと目をつぶった。
目をつぶると,鼓動の音にしか集中できなくなっていた。
心臓が爆発しそう…
ちゅ。
ひたいに温かくて柔らかい感覚。
おそるおそる目をあけるとジュンのいたずらそうな笑み。
『どきどきした?』
にぱっと笑ってあたしの首から手をはなした。