私にとって唯一の人
「そういえば、」
ホームに着き、電車を待っていると軽くなにか思いついた、というように健司が桜を見た。
そして、爽やかな笑顔のままちょっとかがむ。
健司が170cmなのにたいし桜は145cmと小柄で、視線を合わせるには健司がかがまなくてはならない。

めったにない同じ目線の健司に、桜はちょっとドキドキしつつ、平静を装いながら「なに?」と尋ねる。

その可愛い表情に一瞬にして赤く染まった健司の頬をみて、桜も照れてしまった。
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