ひまわり
『ねえ、向日葵見たいな』
余命宣告されて半年がたった。
僕は、相変わらず彼女に心配されてる。
希望の光がこの時、胸にやどっていた。
もう彼女はいなくならないと、ずっとそばにいてくれると思っていた。
「向日葵?」
『うん。毎年行ってたから今年もって思ったけど』
「あぁ。外出許可か…あとで看護師さんに聞いてみるよ」
『ダメだって。私が今日聞いたらダメって言われた』
「そっか」
彼女の悲しそうな顔を見たら、どうにかしたいなって思う。
また、彼女に内緒で看護師さんに聞いてみよう。
『しょうがないから、今年は諦めるよ』
力無く笑う彼女は、今にも消えそうな感じだった。
「そ、だな」
『でも…お願いがあるの』
「ん?何?」
数少ない彼女のお願い。
『あの場所に咲いてる向日葵を一本でいい…ここに飾りたい』
彼女の願い。