オレンジの教室
何を言ったらいいのか分からず、黙っていたら、なぜか気まずい雰囲気になった。
ここはどう切り抜けたらいい?
今ほど、口下手な自分を恨んだことはないだろう。
こんな時、塩田やタケはどうするんだ?
だが、ちょうど、頭の中で気の効いた言葉を探している時であった。
廊下からドタドタと、足音が俺達のいる教室へだんだんと近づいてくる。
そして、
―――――バタンッ!
教室の後ろのドアが勢いよく開かれ、早川と同じ茶色っぽい髪色とクリリとした瞳が目に入った。
「サキ姉!
遅くなってごめんねっ…て、あれ?」