オレンジの教室
早川より髪の長いロングヘアーに、キリッと整えられた眉、少し意志が強そうな瞳。
ところどころ早川と似ている容姿に、少しドキリとした。
たしか、早川には一つ下の妹がいるらしい。
たぶん、今教室のドアの所に立っている彼女が妹のようだ。
「ひなちゃん。
もう部活終わったの?」
「う、うん。
終わったよ。」
そう言うと、早川妹は俺をチラリと見た。
その瞳には、この人誰?っと言いたげに俺が写し出されていた。
おそらく、早川は早川妹の部活が終わるのを待っていたのであろう。
そしてなぜか(たぶん、日当たりが良かっただけだが)、俺の席で寝ていたというわけだ。
「ひなちゃん、部活終わったの?」
早川がそう言うと、早川妹は「うん」と表情を柔らかくし、答えた。