鳴海‐Narumi‐【短編】
しかし、その夜は玄関の外の灯りだけではなく、リビングも明るかったので、嫌な予感はしていた。

ドアを開くと妹の三江が血相を変えて、俺に捲くし立てる。

「次郎にい、どうなってんのよ?」

「何が?」

間の抜けたようないつもの口調で返すと、それで余計に火がついたみたいだ。

「何じゃないよ。次郎にいのせいで、私、学校で恥じをかかされたんだよ!」
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