*逢風*
「今は、忙しそうだから裏口から入る着いてこい。」
「はいっっ!!」
まだどんな店なのかも知らなかったが、この和やかな雰囲気を放つ宿屋『はざくら』を好きになった。
(こんな所で働けるんだっ―!!嬉しいッ!!)
花音はテレビで見た旅館の女将さんや女中がする仕事に密かに憧れを抱いていただけに胸が高鳴った―。
嬉しそうにキョロキョロとしていると裏口に着き、中に入ると女中達がせわしなく動き回っている台所だった。
そこに立っていると、長い黒髪が綺麗な同い年位の女の子がやって来た。
「おぅっ!!葉月随分遅かったじゃねーか、いつも早く帰って来るお前が珍しく遅いから寄り道でもしてんだろって今、話してた所なんだよ、わははっっ!!」
すごく男勝りな口調だった。
「うるさい。今日は色々あったんだよ。
――…。希沙羅。
お前、仕事はどうした?!」
「あっ…あぁ、おっ終わったんだよッッ;」
「へぇ…。こんなにも皮の剥いていない芋がゴロゴロしてんのに、お前の仕事の『皮剥き』は終わったんだな…」
麻の袋の中にある皮着き芋を手に取り黒く笑んだ。
「今までに嘘ついた時どうなったか覚えてないのか?」
(コワッ…;)
「ウッ…
わかったよ;―…。
気になったんだが、葉月の後ろに居る子誰なんだ?!」
希沙羅と呼ばれた子は、葉月の後ろに居た私を見つけて言った。
「はいっっ!!」
まだどんな店なのかも知らなかったが、この和やかな雰囲気を放つ宿屋『はざくら』を好きになった。
(こんな所で働けるんだっ―!!嬉しいッ!!)
花音はテレビで見た旅館の女将さんや女中がする仕事に密かに憧れを抱いていただけに胸が高鳴った―。
嬉しそうにキョロキョロとしていると裏口に着き、中に入ると女中達がせわしなく動き回っている台所だった。
そこに立っていると、長い黒髪が綺麗な同い年位の女の子がやって来た。
「おぅっ!!葉月随分遅かったじゃねーか、いつも早く帰って来るお前が珍しく遅いから寄り道でもしてんだろって今、話してた所なんだよ、わははっっ!!」
すごく男勝りな口調だった。
「うるさい。今日は色々あったんだよ。
――…。希沙羅。
お前、仕事はどうした?!」
「あっ…あぁ、おっ終わったんだよッッ;」
「へぇ…。こんなにも皮の剥いていない芋がゴロゴロしてんのに、お前の仕事の『皮剥き』は終わったんだな…」
麻の袋の中にある皮着き芋を手に取り黒く笑んだ。
「今までに嘘ついた時どうなったか覚えてないのか?」
(コワッ…;)
「ウッ…
わかったよ;―…。
気になったんだが、葉月の後ろに居る子誰なんだ?!」
希沙羅と呼ばれた子は、葉月の後ろに居た私を見つけて言った。