*逢風*
スッ―
「失礼致します―」
葉月に続いて広い部屋の中に入り、二人並んで正座した。部屋の中には、葉月に似た大人な男の雰囲気を出す人と、綺麗で大和撫子な女の人が二人並んで座っていた。
どちらも、綺麗な人だった。
(この二人が…葉月さんのお父さんとお母さん?!凄く似てる―)
「葉月、そちらのお嬢さんは?!初めまして。私は、ここの主人の月夜だ。そして、こっちが妻の紅葉だ。今日は何か用があったのだろう?」
優しい口調で月夜さんは、話かけてくれた。
「初めまして、私は女将をやってるわっ紹介の通り紅葉よ貴女、名前は?」
そう言うと、優しくはにかんだ。
「初めまして、雪 花音と申します。今日はお願いがあって来ました!!」
(いくら葉月さんが、働いていいと言ってもこの宿屋の主人が許してくれなきゃ働けない!!)
まず、最初に自分がここで働かせて欲しい理由を話す事にした。
「私はッ―。実は
この時代の人間ではないのです。」