*逢風*
「私をここで働かせてくださいッ―」


花音は頭を下げた




「頭をあげなさい―花音さん。花音さんが話す話は現実離れしている、でも君が嘘をつくような人だとは、思わない。だから私は信じるよ。」


「私もよ、怖かったでしょうに…」


二人は言った。

「じゃあッ!!花音は明日から働いてもいいんだろう?」

「あぁ、今日から私達が君の面倒を見よう!女中の仕事は大変だが、頑張るんだよこれからは君はこの『はざくら』の女中の雪花音だ。」

「頑張ってね―私達の事はもう一人の親だと思って頼りなさいね!」

「花音、良かったな。頑張れよ」


それぞれに言葉を掛けてくれた―


三人の言葉は
胸に染み渡った―

あたたかかった
この人達は暖かい。





「花音ちゃん、得意な事ってある?!」

紅葉さんはいきなりそんな質問をしてきた。


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