*逢風*
月夜「いいんだよ、さぁ…そろそろ寝なさい―。
葉月、空いてる部屋に連れていってあげなさい。」


葉月「あぁ、」


月夜「その部屋は、花音の好きに使いなさい。」

「はい、ありがとうございます。」


月夜「では、行きなさい―」

葉月「行くぞ、花音」

そう言うと、花音の前にある着物を持ち立ち上がり、足で襖を開けて部屋を出た。

それに続き部屋を出る。部屋を出る際に「おやすみなさい」と言い襖を閉めた。

着いたのは、二階のお客が泊まる部屋に少し離れた部屋だった―。


またも葉月は足で襖を開けて部屋に入った。


そして、部屋の真ん中に着物を置いてから部屋の端にある灯りに火をつけた


ポゥと光る灯りは、部屋を照らしだした――


葉月「今日から、花音の部屋だ―。布団は今から持ってくるから着替えとけ」

そういい、部屋から出ていった。


花音は、大量の着物から薄手の浴衣を手にとり着替え始めた。


着物や浴衣は日舞をやっていた事もあり、すんなりと着付けられた―

目の前にある大量の着物達。

部屋の端には、こじんまりとした箪笥が一つあった―
(明日にでも、片付けよう。)

大量の着物を部屋の端にたたみながら置いていく花音。


いまだになぜ、ここに来たのか。理由が分からない―
今日は、色んな事が起こりすぎた。彼氏に振られるし、いきなり訳の分からない所に着てしまって…


(帰れるのだろうか―)

不安はあるが明日からは精一杯はざくらで頑張ろう!
(はざくらで働きながら、帰る方法を探そう―
絶対に現代に帰ろう…)


今日の1日を振り返っていると、なんだか眠たくなってきた―。


肌寒い外の風が少し空いていた窓から入ってきた―


花音は、部屋の真ん中に横たわると直ぐに寝息をたてはじめた。


暫くすると、葉月が部屋に戻ってきた布団を抱えていた葉月は、布団を敷き花音を抱きかかえ寝かせた。


花音の顔を見て微笑んだ―

「おやすみ、花音」

頭を一撫でしてから静かに部屋から出ていった―。


< 44 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop