大人の女と男の関係
「うわ、すごい、おいしそ~」
あとから起きてきた千佳ちゃんが、テーブルに並べた朝食を見て感嘆の声をあげた。
「たいしたものじゃないけど、どうぞ」
「いっただきまーす!」
こうして誰かと差し向かいで朝食をとるなんて、どれくらいぶりだろう。
私はなんだか嬉しくなった。
クロワッサンにかじりついていた千佳ちゃんがふいに顔を上げた。
「ね、香菜さん、ここに来たのって私が初めてですか?」
「もちろん。
まだ引越して2週間だもの。
それに、まだ引越はがきも出してないから、まだ家族くらいしかここの住所知らないの」