大人の女と男の関係
「で?摩耶さん、どういうこと?」


私が催促すると、摩耶さんは照れたように笑って言った。


「実はね、私結婚することになったのよ」


「結婚!?」


私は思わず大きな声をあげてしまい、慌てて口元を押さえた。


「摩耶さん、そういう人いたの?
いつもはぐらかして教えてくれなかったじゃない。
お相手は?」


私が矢継ぎ早に質問すると、摩耶さんは苦笑しながら自分の後ろを指差した。


「裏で厨房を任せている人なの。
実はもう結構長いのよ」


「えっ、そうだったの。
もしかして、あのまんまるコロッケもその方が?」


かつてよく頼んでいた大好物のメニューをあげると、摩耶さんは微笑んで頷いた。


摩耶さんの恋人が作った料理を食べていたんだ、私。


驚いた。

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