大人の女と男の関係
その後、流れでカラオケボックスに行くことになった。


とても歌う気分ではなかったけれど、そのまま一人家に帰るのもいやになって、ついていくことにした。


しかし、手拍子をしながらも、考えるのは成哉のことばかり。


千佳ちゃんはそんな私を気遣う様子を見せながらも、マラカスを振って場を盛り上げていた。



考えたって仕方ない。

こうなったら、とことん楽しもう。


私は半分やけになって、アップテンポの曲を歌ったりした。



小一時間して、トイレに立ったときだった。


バッグの中のケータイが点滅しているのに気付いた。


慌てて開くと、不在着信2件。



――成哉からだった。


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