大人の女と男の関係
時間は今から15分前。


私はすぐに折り返した。



呼び出し音が続く。


どうか出てくれますように。


ちゃんと話さなきゃ。


誤解されたままなんて絶対にいやだ。


ケータイを強く耳に押し当て、祈った。


コール6回目でその祈りが通じた。



「もしもし?成哉?」


『はい』



背後からは喧騒が聞こえた。

外にいるらしい。


「あの、電話もらってたみたいだから……」


どぎまぎしながら成哉の返事を待った。

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