大人の女と男の関係
言いかけた私に最後まで言わせず、千佳ちゃんは私の背を押した。


「よかったじゃないですか!
すぐ行って下さい。
うまく言っておきますから」


「ごめん、サンキュ」


笑って送り出してくれた千佳ちゃんに手を合わせて、急いで店を出た。


私は走って駅に向かった。



繁華街の金曜の夜、10時過ぎ。


まだまだ人通りは多かった。


久しぶりに成哉に会える。


ちゃんと業者さんのこと説明しなきゃ。


成哉、どんな顔して私を見るかな。


まずは誤解を解いて、それから、由宇さんのこと聞いて、それから……


会って話すことをシミュレーションしながら、私は駅へと足を速めた。




< 177 / 304 >

この作品をシェア

pagetop