大人の女と男の関係
「そうだったんですか。
それで、残りの６００万のことはいつわかったんです？」


「そのすぐ翌月に。
今度は水道料金が引き落とされなくて、集金に来られて」


「はぁ～～」


千佳ちゃんのため息はさっきより長くなった。


「２００万を返済したときに、もう隠し事はしないでって私、彼に約束してもらったの。
それなのに、そのことがわかって。
もう彼を信用できなくなった。
それに、もう私にも貯金がなかった。
６００万なんて、簡単に返せる金額じゃないのよ。
月々の返済してたら、生活できなくなっちゃうような金額で。
で、どうするつもり？って詰め寄ったんだけど、彼黙っちゃって。
私、途方に暮れて母に相談したの。
そしたら、向こうのご両親とも話し合った方がいいってことになって」


その後のことは、本当は思い出したくない記憶だった。


でも、今ここで吐き出してしまうことで、乗り越えたいと思う自分もいた。


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