大人の女と男の関係
12.プレゼントと満員電車
食事を再開しながら、千佳ちゃんは聞いてきた。
「離婚が大変だっていうのはよくわかりました。
でも、香菜さん。
もし、もしも、成哉さんが離婚したら、そのときは、ちゃんと成哉さんと向き合う気はあるんですか?」
私は口に運ぼうとしていたパスタを空中で止めた。
「それは……」
脳裏をよぎったのは、6月のキス。
そして、8月の拒絶。
「向こうが私をどう思ってるかわからないし……」
そう言いかけると、千佳ちゃんは首を振った。
「そんなの!好きに決まってるじゃないですか。
成哉さん自身そう言ってたじゃないですか」
「それは過去の話でしょ?
今は……」
私が言いよどむと、千佳ちゃんは挑むような目つきになった。
「じゃあ、香菜さん。
もし私が、成哉さんとつきあうって言ったらどうします?」