大人の女と男の関係
電車が動き出してから、また成哉の方を見ると、成哉は窓の外を見ていた。


成哉の前には、20代前半と思われる女の子が立っていた。


ミルクティー色の髪を巻いて、派手めなメイクを施した、今風の可愛い子。


電車が揺れたとき、その子が成哉の胸にしがみついたのが見えた。


女の子は顔を上げて成哉に何か言った。


「ごめんなさい」とでも言っているのだろう。


成哉は無表情のまま軽く頷いた。


しかし、それだけでは終わらなかった。


女の子は成哉の服につかまった手を離さず、更に何か話しかけていた。


女の子が上目遣いに成哉を見上げる表情に媚が見て取れた。



――ズキン――


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