大人の女と男の関係

鍋が運ばれてきて、私達は食べながらお互いの近況報告をした。


「ところで今日、由宇さん、何か用事って言ってたけど、だいぶ調子はいいの？」


電話で今日の約束をしたときから気になっていたことを聞いてみた。


「ああ、まだカウンセリングには定期的に通ってるけど、ずいぶん落ち着いてきたよ」


「そう、よかった。
じゃあ、もう少ししたら、戻って来れそう？」


そう聞くと、成哉は目を伏せた。


「さあ、それは、どうかな……」


あ、悪いこと聞いちゃったかな。


私は突っ込みすぎたかと反省して謝った。


「ごめんなさい。
余計なことだったね……」


すると、成哉は顔を上げた。


「いや、そうじゃなくて。
実はさ、由宇、今ある男と一緒にイブを過ごしているはずなんだ」