大人の女と男の関係
テレビのニュースを見ていた成哉は、私が料理を運んでいくと歓声をあげた。


「おー、うまそう!
こうやって盛り付けると、結構量あるね」


「でしょ?
だから、買い過ぎって言ったじゃん」


私がそう言うと、「残ったら明日の朝食にすればいいよ」なんて言いながら、成哉はよく食べた。


その食欲に呆れて見ていると、成哉がふと箸を止めた。


「なに?」


「いや、よく食べるなあと思って。
成哉って、そんなに食べる方だったっけ?」


私が聞くと、一瞬考えて、成哉は笑って答えた。


「ストレスから解放されたせいかも」


ああ、なるほど。


たしかに、私も離婚直後はさっぱりして開放感を感じたっけ。


しかし、やはり食べきれず、7割ほど食べたところでギブアップ。


「もう、おなかいっぱい!」


「さすがに俺ももう満腹」


私は残りを片付けて、冷蔵庫からケーキを持ってきた。
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