大人の女と男の関係
すぐに開けると、成哉が腕をさすりながら滑り込んできた。


「あー、さむっ。
お邪魔します!」


「成哉、飲み会は?」


リビングへ向かう成哉を追いながら聞いた。


「1次会で抜けてきた」


成哉はテーブルに乗ったカクテルの瓶を見ると、聞いてきた。


「お、いいなあ。
俺の分もある?」


私はすぐに冷蔵庫からもう1本出してきた。


「抜けちゃって良かったの?」


瓶を渡しながら聞くと、瓶ごと引き寄せられた。


「だって、あんな寂しそうな声聞かされたらさ、放っておけないでしょ」


ぎゅっと抱きしめられ、顔を覗きこまれた。


至近距離で見る成哉の顔にはまだ慣れない。


私は思わず目をそらした。
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