大人の女と男の関係
「乳繰り合ってるバカップル」


「はぁ？」


「最近の高校生はやることが大胆だね」


そう言って、成哉は焼き鳥の串を口にくわえた。



それまで成哉とは、下ネタどころか恋バナすらしたことがなかった。


初めての色っぽい話題に、私は内心どきりとしながらも平静を装った。


「そうなんだ？」


成哉は手についた焼き鳥のタレを舐め取りながら、涼しい顔で続けた。


「舌入れてキスしながら女の子の胸元はだけさせちゃって、もうなんか最後まで行きそうな勢いでさー」


「ふうん」


「もっと人目につかないところでやって欲しいよ……
あ、さっきの『最近の高校生』って発言、俺、オヤジくさかった？」


成哉がちょっと話の方向を変えたので、私はそれに飛びついた。


「いやいや、私の方が年上なんだから、あなたが自分でオヤジとか言わないでよね」


これで、年齢の話にでもすり替わればいいと思ったのだけど。
< 33 / 304 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop